プロレスにおける怪しい魅力とは④

昭和ノスタルジー
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こんにちは、escapeです。

前回、猪木対アリ戦についてのスケールの大きさなどの

話をしました。記事はこちらから。

この一戦により、猪木さんの名前は世に広まる事になりましたが

代償として莫大な借金が自身が社長でもある新日本プロレスにふりかかりました。

この後に、異種格闘技戦としては極真空手の熊殺しと言われる

ウイリーウイリアムスと闘う事になりこちらも話題となりました。

これも、極真空手対プロレスというアングルがあり当時は大いに

盛り上がりはありましたが、梶原一騎が絡んでいる事もあり

引き分けという結果でした。当然、ブックは有りの試合でしたが、

アリ戦よりは見せ場もあり、見せるという意味ではブックあり

の方が試合として成立はしていきます。

この辺が、異種格闘技戦としては頂点でもありこの後も色んな

選手やマスクマンが色々なふれこみで対戦していましたが、

知名度も含めルスカ、アリ、ウィリー戦を越えるような話題は

難しかったようです。しかしながら、このストロングスタイル

いう路線や猪木という絶大な看板スターは根付きました。

2番手として藤波、長州が揃ってきたり外人レスラーも育ち、新日本プロレスは活況に沸いて

いました。普通の会社同様、やはり業績をあげていく過程でいつまでも社長の一枚看板では

組織としては限界もでてきます。この頃、アリ戦の借金もほとんどなくなったと言われています。

馬場氏率いる全日本プロレスも2番手のジャンボ鶴田や天龍の活躍も

ありプロレス業界自体が盛り上がっていた頃です。それでも、全日本

よりも猪木氏率いる新日本の方が人気もあったのは、常に色々な

トラブルや遺恨などが発生していたところが怪しくもあり、魅力的

でした。そんな中、タイガーマスク2のアニメの連動企画もあり

タイガーマスクの一大ブームもありその勢いが増していきます。

タイガーマスクは、その後何代か替わったり他の覆面レスラーも

随時出てきましたが、初代タイガーを越える事はできませんでした。

初代タイガーこと佐山サトルは正にプロレスの天才だったのです。

これは、当時のキレのある動きからも今も語り継がれている事です。

こうなってくると、どこの会社も同じように会社は儲かっているのに

給料が上がってこない不満が社員からでます。まさに、この時の新日本

プロレスがそんな状況でした。基本、「この来た道はいつか来た道」では

ないですが、猪木も力道山が亡くなった後の所属の日本プロレスを追放されました。

ベースは、経営陣の放漫経営から選手として異を唱えたところ梯子を外され

たようです。そして、追放後新日本プロレスを設立しています。この辺は、

馬場氏はしたたかにテレビ局も付いた段階で脱退したりなど打算が働いたり

もします。そして、当時の猪木氏はこの利益をアントンハイセルという会社に

注ぎこんでいました。この会社は、ブラジルのサトウキビの「搾りカス」

公害の原因にもなりこれをリサイクルして牛の肥料にするという環境問題

も絡んだスケールの大きな事業です。今では、SDGsなどの環境問題の取り組み

やリサイクルなどの意識もありますが、当時まだこのような取組は早かったのも

あります。猪木さんで有名なのは、タバスコの輸入権利などいち早く手掛け先見の

があるような事もあるのですが・・。そして、これが技術ができる前にある意味

色々な騙しにもあい、工場建設や色々な物にお金が湯水のように流れていきました

そして、ようやく技術が伴った頃にブラジルに急激なインフレが襲いかかります。

そして、育てた牛なども含めブラジル政府から物価の凍結令や食肉の強制出荷令があり

ほとんどタダで牛なども政府に持っていかれてしまいました・・。

これにより借金がまた5億程できてしまったりもしました。そして、この一部始終が

レスラーにも知られることとなり、社内クーデターがおき猪木さんもろとも会社から追い出され

てしまいます。しかしながら、猪木さんの看板のない新日本プロレスは価値がないともされ、

テレビ朝日も放映など見合わせる話もでてきました。最終的に、猪木さんは戻され当時営業部長で

あった新間寿氏だけ追い出された格好になりました。

その後も、このゴタゴタから後にUWFという団体などもでき、前田日明なども移籍なども

あったりすのですが、まだこの時点の前田は若手のホープ位の扱いではありました。

いずれにしても、このアイルトンハンセルという会社は今も一応存在はしているようなの

ですが、実質破綻状態でもありました。この頃、猪木さんは糖尿病も患ったりの時期もあり、

心身ともに厳しい状況ではなかったかと思います。

この時期、今でもプロレス界の「謎」になっている事件がおこります。

当時プロレスのベルトも海外を含めると色々あり、猪木さん自身で

世界統一構想をつくり「IWGP」というベルトをつくり

ました。PR効果もあり連日会場は満員盛り上がった大会になりました。

その第一回の大会で、決勝はハルクホーガン対猪木という試合になりました。

既定路線で言えば、当然1回目という事もあり猪木さんの勝利というのは誰もが

描いていた構図です。しかしながら、ホーガンの18番技アックスボンバーを最後

受け失神KO負けとなりました。この際の失神は表現ではなく、本当に舌を出した

状況での負けでした。正確に言えば、舌を出したわけではなく、リング上で

猪木さんが全く意識不明なような状態になり、舌による窒息を避けるために

他のレスラーが口に指を入れ舌を引き出したとされています。

救急車で病院に運ばれ、誰しもが試合中の事故として観ていた

です。そして、翌日スポーツ紙ならまだしも一般紙にまでこのニュースが流れ

「猪木昏睡状態」という報道がなされました。

しかし、この後猪木さんは知らぬ間に病院を抜け出し帰ったようでした。

この試合については、ずっと本人は語られておらず、この失神まで猪木さんに

よる演出ではないかという話もでています。そして当時、会社でナンバー2で

ある坂口選手が見舞いにかけつけ、いない事に気づくと「人間不信」というメモ

だけを書き残し立ち去ったという話があります。周囲にも、この結末までも誰にも

知らせずに意図的にしていたという事であればすごい事です。真相は闇の中では

ありますが、恐らく意図的にした演出という説が高いのでないでしょうか。

というように、猪木さんとは周囲が驚くような事をドンドンしていきます。

この後は、参議院議員で政治家に転身したりイラクから人質解放に動いたり、当時スポンサーも

佐川急便の社長がつとめていましたが色々な金銭トラブルがあったようです。

都知事選を急に取りやめたり(借金をチャラにする代償という説もあったり)、

またお金やスキャンダルなどで再選はできなかったり北朝鮮での興行

行ない、そこでまた借金をつくったりなど常に話題に事欠かない人でもあります。

そして、プライベートでは奥さんでもある女優の倍賞美津子さんとも離婚したりなど波乱万丈な

人生を歩んできています。勿論、プロレス界の方にも格闘技路線で小川直也を引き連れ、

かき乱すようにプロレス界にもどったり、年末のテレビ中継のあるビッグイベントでも

メインの対戦カードが決まっていなかったりなど恐らく

並みの人では、何回命が有っても足りないような事ばかり

を絶えず繰り返してやっていきます。その辺が、危険でもあるのですが人を惹きつける魔性の魅力

ではないでしょうか。表題のように私が思う「怪しい魅力」というのは、プロレスというより猪木さ

ん自身にあったりもします。最後に猪木さんが引退試合で披露した詩の朗読がありました。

有名な「道」という詩です。

抜粋すると「人は歩みを止めた時に、そして挑戦をあきらめた時に年老いていくのだと思います。」

この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。中略 迷わず行けよ。行けばわかるさ」

これは動画などにもあがっているので、知らない人はぜひ聞いて欲しいものです。

猪木さん自身がまさにこれを体現したような人生でもあり、

非常に私は惹きつけられるものがあります。

起業でもなんでも、どうしても安全志向に陥り

勇気のある決断や覚悟ができない事もあります。

よく「ゼロリスク」まで考える人もいたりはしますが、何事もリスクはつきものですし

「ゼロリスク」を求めた時点でそのこと自体が「リスク」になると思います。

私も常々、猪木イズムが体に浸透しているのか基本「迷ったらGO」という気持ちで

スケールは違いますが動いている事が多くあります。

少々、4回と長くなりましたがプロレスの魅力が多少でも伝わったのであれば幸いに思います。

 

 

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