こんにちは、escapeです。
ご存知の方も多いと思いますが、先週芸人でもあり競馬通の
じゃいさんが競馬の税金についての動画をあげておりました。
昨年、税務署の査察に入られマンション1軒分ほどの税金を請求され
支払いをしたという件です。過去にも、競馬における税制は裁判など
にもなり何かと物議を醸しておりますが、基本的には理屈に合わない
「不公平な税金」というのが現在の状況です。少々、本日はこのテーマで
考えたいと思います。
まず、中央競馬の配当というのは25%控除がされています。いわゆる「テラ銭」
と言われるものです。1000円の内250円はすでにJRAに支払われているわけです。
これは、一般的には高い控除率と言われています。
このうち、10%は国庫納付金となり実質の税金ではあります。
残りの15%はJRAの運営資金です。当然、レースの賞金などの費用も含まれています。
そして的中した場合の配当ではありますが、基本的に年間50万円以上の配当支払いが
ある場合に課税対象となります。この課税対象が「一時所得」か「雑所得」かで大きく
税金額が変わります。大半の場合は、「一時所得」扱いとなります。
では、この課税対象は何が一番違うかと言えば、「外れ馬券」を経費にできるか
どうかというのが一番の差になります。経費にできれば雑所得扱いになります。
では、なぜ外れ馬券は経費にならないかと言えば、これは昔の紙馬券中心の考え
方に原因があります。現在は、スマホなどのネット経由で購入されている方が多いと思い
ます。ネット経由であれば、全て履歴は残るはずです。一方、紙馬券時代であれば
あらゆるところに外れ馬券は捨てられているので、当然これをかき集めればいくら
でも経費となってしまうという部分はあります。そして、もう一つの問題は高額
配当を想定していない点です。古くは単勝、複勝位の馬券しかありませんでした。
その後、枠連など広がりしばらくは、券種としてはこの3種類しかありませんでした。
当然、いまでは3連単はじめウイン5などもあります。仮にウイン5で1億円が的中
した場合に、現状的中した馬券の分のみが経費としか認められていません。
例えば100万円分を購入費用として使っても、的中した1票分すなわち100円のみしか経費
になりません。そして、その前に仮に5000万円を費やしていたとしても経費として
カウントがされません。そもそも競馬法は昭和23年の施行となり基本この枠組みで
競馬が行われ、今の販売方法や配当なども含め想定がされていません。
従って、かなり時代錯誤のルールなのであります。
そして、紙馬券の時に高額の払い戻しの際に買った馬券で税金としたいのか
外れ馬券は経費にならないようになりました。しかしながら、未だに払い戻しの
時に税金を取られたり、住所などの個人情報をとられたという話も聞きません。
以前、ヒシミラクルという馬で億を超える払い戻しをした通称「ミラクルおじさん」
でさえ、どこの誰かがわかっていないのです。本来とるべきものをルール化して
そこはとらず、違うところで取るというのはいかがなものかと思います。
では、この難しい外れ馬券を経費として勝ち取った事例がどういうものか紹介しましょう。
今から10年ほど前の話ですが、この方は会社員で自分でプログラムを開発して自動売買のような
仕組みで馬券を購入していました。結果2007年~2009年までに28億7000万を投資
して30億1千万を払い戻ししていました。ここの部分だけをみれば、1億4000万
儲けた事になります。これが、当初外れ馬券が経費にならないという部分で、一時所得
扱いで6億4000万もの所得税が課せられることになりました。儲けをはるかに超えた税額になって
いるのです。その後、最高裁まで争い雑所得とされ5200万まで減額となりました。
この所得税の扱いの差で、6億近くの差が生じるのもどうでしょう。
この方は、基本購入レース数も多く自動売買的にされていたことから、
「投資」とみなされ外れ馬券が経費となったのです。一般的に株やFXの
投資というのは、損益通算もされ20%の分離課税でもあります。
10億儲けても2億の税金で済みます。通常の給与で10億稼ぐと住民税を
合わせると最高税率は55%になります。10億を仕事で稼ぐと5億5千万の
税金になります。この辺も、矛盾が生じています。
この後も裁判で経費扱いの判決をもらった人はいますが、この「投資」
という扱いを勝ち取らなければならないのです。
では、払えなければ最後は破産してしまえばと思う人もいますが、
基本自己破産しても、税金の納付は免れる事はできないのです。
他の債権は処理できますが、税金は免責にならないということも
厳しい内容になっています。同様に損害賠償なども免責になりません。
従って、雑所得扱いを受けるには相当のハードルが有るという事を
皆さん理解いただけましたでしょうか。
次回は、じゃいさんのケースと同様に一時所得の場合を考えたいと
思います。
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