こんにちは、escapeです。
昨日の続きになりますが記事はこちらから。
地方競馬はなぜ復活できるようになったのかではありますが、
これには、まず中央競馬と地方競馬の「壁」を理解する必要があります。
古くはハイセイコーやオグリキャップも含め地方の馬でも中央で活躍
した馬はいます。しかしながら、そもそも地方はダートレースの中、
中央の芝で活躍するのはそれなりに大変な事です。今もダートでは
地方馬も活躍する馬はいますが、芝では少々ハードルが高いです。
馬は別にしても、そもそも中央競馬はどちらかというと地方競馬自体を別物
扱いにしながらか「壁」をつくり参入をさせない状況をつくっていました。
その象徴が、「騎手」です。地方の騎手を中央で乗せないところもあり、
その先駆者である笠松の安藤勝己騎手も最初はJRAの試験に落とされて
います。それも筆記試験で落としたりしました。半分、嫌がらせのような
ところもありますが、そんな中色々な障壁を乗り越え安藤騎手は中央に
移籍ができました。その後、内田騎手、小牧騎手、戸崎騎手、岩田騎手など
今では地方出身騎手の活躍もそれなりに多くあります。さながら、メジャーリーグの
道筋をつくった野茂選手に近いものがあります。騎手でこのようなハードルなので
交流戦や販売網なども含め以前は中央競馬は地方競馬に非協力的でした。
しかしながら、本来、地方競馬の方が一歩進んだ改革を競馬でもしていました。
古くは、ゲート式の導入やパトロールフィルムの導入、枠の色別の導入など今では
当たり前にあるシステムはいち早く地方競馬から手掛けていました。
ナイター競馬こそないものの、馬券のバリエーションも地方から先に取り組みがなされ
今も地方にしかない馬券の種類などもあります(枠単など)。
そんな中、中央競馬の売り上げも2000年に入ると下降線をたどり、地方競馬の売上不振
と重なるようになりました。そこで、競馬界自体が下火になる事をさけ第二のJRAとして
地方の再建にのりだします。また、小泉内閣の頃でもあり、規制緩和などが打ち出されていた時期
でもあります。そんな流れから、一部、財源なども期限ギレの払い戻し金や10円以下の
端数処理のお金だけでも100億程あったりします。そのようなお金を地方の再生財源にしたり
しました。
そして、一番大きいのはJRAもインターネットの普及に合わせ、ネット会員の方へ力をいれて
いきます。どうしても、競馬場(場外馬券売り場も含め)というのは限られた場所に
しかなく従来は人にお願いをしたりなどで買いの依頼をしていた人も多くいたのでは
ないでしょうか。また、そのような不便さから「ノミや」という稼業も反社を中心に存在して
いました。原則、競馬は代理で買ってはいけない建前のルールは有ります。ただ、ノミやは
通常負ける割合が多い事から、購入せず馬券自体をノムので中央競馬の売上に反映していきません。
そんな事も、ネット競馬の普及により防止できることも大きく、今ではほとんど絶滅しているのでは
ないでしょうか。また、古くからあった競馬法も改正などがあり先程の財源なども含め、改革できる
事が多くでてきました。そして、中央競馬の販売網で地方競馬を発売した事で地方競馬の売上も
爆発的に売上も伸びていきます。
例えば、高知競馬は以前地方の中でも売上が最低の方でした。実際、廃止一歩手前まで
追い込まれてました。そんな中、中央競馬は翌日の銀行への振込決済の関係もあり日曜日は18時頃が
タイムリミットで締めていました。そして、最終レースの終える16:30からも高知競馬をタイムリ
ミットまで買える状況をつくり、高知競馬もそれに合わせたレース編成などを行いました。それに
より中央の最終で負けた人も含め取り込め売上を伸ばしたりもしました。
そして、中央との交流競走も年々増えていき販売網の拡充なども増えていきました。
またスマホの普及やコロナの巣ごもり需要なども売上を伸ばした原因でしょう。
そして、地方は非常にアイデアが優れファンに魅力的なレースを提供します。
例えば海外のように、地方競馬のS1(中央でいうG1レース)レースを
1日に3レース続けて行うなど、地方競馬のお祭りのような日もあります。
有名なレースでなくとも高知ファイナルなど名物レースがあります。
通常のレースは、勝ちあがった馬同士で競うものですが、このレースは逆に勝てない
馬を集めレースをするという逆転の発想です。当然ながら、人気はあてにならず、
荒れまくるレースと有名になり「一発逆転」という図式から人気になっています。
今は、地方ではナイター競馬もかなり多くなったりしています。他のオートなどは
さらに時間を遅くしてミッドナイトレースというのも行われています。
そのうち、24時間競馬をやる日とかもできるかもしれません・・。
以前は同日開催などは売上の食い合いとみられていました。
今は共存共栄で同日に違う競馬場でも開催されたり
のレースも発売もされ、かえって売上も伸びているようです。
というように、地方競馬も様々なサービス努力もあり復活していきました。
良い意味で地方と国が協力した形で、また常に工夫をこらしてファンのニーズに
応える動きをしているのも素晴らしいのではないでしょうか。
地方交付税交付金のように使い道まで色々縛られているようなものではなく、財源を
国から地方に移しながら、地方も努力をしていくと再生などはまだまだ可能であり
魅力ある街づくりはできるのではないでしょうか。最近は以前より減りましたが、
いらない箱物だけをつくる予算消化のような無駄も減るように思います。
まだ、カジノのIRの誘致は確定していませんが、そもそも公営ギャンブルもこれだけ
充実しているのであえてこれ以上つくる必要もないでしょう。
恐らく、規制だらけのカジノをつくっても魅力はないでしょうし、これまた地方競馬の
冬の時代のようなカジノになってしまうのでないでしょうか。
いずれにしても、中央競馬の協力もありましたが、やり方の工夫によっては再生ができることを
地方競馬は証明したところもあるので、他の斜陽産業などもまだ諦めるのは早いのかもしれません。
今一歩の工夫で好転していく可能性もあります。
色々な意味で、日本経済の再生を願いたいところです。
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