20代の苦悩【ブラック企業激闘編②】

天邪鬼な考察
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こんにちは、escapeです。

前回に続いて、保険会社のお話です。前回はこちらから。

初日も終わり、憂鬱な気分で2日目以降を迎えます。基本、会社は午前中

までしか居てはいけないルールがありました。また、部屋内での私語は一切

禁止という戒厳令で、上司と話をするか電話でお客と話をするか資料作成の

選択しかありません。

タイトルにもあるように皆さんの中での「ブラック会社」の定義はなんでしょうか。

勤務時間が長い、上司が怒る、給料が安いなど色々あるとは思いますが、全ては

最後「離職率」にでると思います。結果「離職率が異常に高い」というのは、ブラック企業

という認識が、私の見解です。

さて基本的には、朝礼が終わると皆、事務所にいても息が詰まるので「いってきまーす」

と言って外出し、どこかでお茶をするかなどが定番でありました。ただ、人の出ていく具合

などもチェックしていたり、近隣の喫茶店は見回りにでているとの事もあると聞き

かなり注意を払わないといけません。当時、私はまだ携帯電話を持っていなかった

ので、事前に場所が決まっていないと行けませんでした。同期の年長のオジサンが

、いつも朝礼時に私の対面に良く座り、ブロックサインをだしてくれました。

いつも、決まった時間にウインクをしてくれるのです。右目なら〇〇のお店というように・。

しかし、この人の欠点として「チック症」を持っている方でした。チック症はよくビートたけし

さんや石原慎太郎氏のように、首振りだったり、まばたきだったりします。このオジサンは

、まばたきの方でした。いつも注意して見ていても「わからないな~これ」と思いながら、

年も離れており、なかなか失礼かなと思いその事を切り出しにくかったのを覚えています。

そんな朝の会合はまだ良いのですが、その後お客に会いに行くにも「行き先がない」という事実

直面していきます。保険の勉強は、教えてくれるのですが、お客をどのように探すかは全て

自分に委ねれています。なぜ、年配者のしかるべき人が多いのかと言えば、その人の「人脈」

頼みなのです。しかしながら、いくら顔のひろい人でもやがて人脈はつきます。ましてや、

会社を辞めた人間が保険の営業にこられても大半は迷惑でしょう。会社にいた時は「看板」と

「役職」に頼っていたものの人間関係がなければ、ほぼお払い箱です。ほとんどの年配者の方が、

最初のこの苦痛で相当メンタルがやられます。前は部下で、辞める時は「すぐに来てください」

や取引先にも「うちに最初に営業きてください」なんていう、「社交辞令」がすべて逆回転

に回り出します。「急に来られても迷惑だよね」「もう、保険入っているからさ」と言われ続け

落ち込みながら事務所に帰ってくる事の多い事。会社は辞めてしまえば、何の利害関係もないので

すから当たり前の事ではあるのですが。この冷たさが身に染みると言います。そして、会社に戻れば

本日の報告を用紙にまとめ、部長に提出しなければいけません。そして、1件1件詰められていきます

。外で冷たい態度をとられ、落ち込んでいる時に会社で傷口に「塩」を塗るような事をしてきます。

そして、大体3か月~6か月で辞めてしまうのがこの会社のお決まりのパターンでした。

離職率が期間の違えはあれど、大体「9割程」ではありました。先程の定義にあてはめれば、

間違いなく「ブラック企業」ではあるでしょう。

幸いと言ってはなんですが、私は20代の若造なので人脈なんてものは、ほとんどないに等しい

ものではありました。それでも、最初は前職関係のところに挨拶と称して出向いていましたが、

1か月もすれば行き場がなくなります。なぜなら、2回目は会う口実がないからです・・。

1回目は、「会社も移ったので」という挨拶での口実があります。これは、年配者の人も

同様です。2回目は電話も出てくれないことも当たり前です。私は、この時に基本会社を

辞めた時は、次の会社のブランドないし自分のブランドで闘うべきだとこの時に学びました。

新しい会社で知らない人に売ってこその人脈です。そこで、人脈を広げられない人は少なくとも

この仕事は難しいでしょう。独立起業も同じでしょう。

そして、もう1つネックがありました。ここでのノルマをクリア

していくには、基本普通の個人の保険を販売していても限界があるという事です。数字をクリア

するためには、法人ないし富裕層(医者や弁護士など)をターゲットにしないと厳しいという事も

最初の1カ月で学びました。では、20代の若造に法人の客や富裕層へのアプローチが可能であるか

というところです。当然自分の周りにそのような人脈はありません。親も含め、周囲はお金がない人

ばかりでありました・・。そして、一般的にお金のある人というのはそれなりに歳を重ねている人

でもあります。全くこの接点がない中で、接点をどうつくるのかが、まず最初の「課題」でし

した・・。そんな折に、1年位してでしょうか新卒の社員を採用する事になりました。中途の人

でも厳しいのに新卒が勤まるのかなと正直思いました。部屋は「中途組」と「新卒組」にわかれて

はいましたが・・。そして、世の中はバブルの崩壊が直面しており、いわゆる就職氷河期

世代の新卒の子たちが入社してきました。数にして1年で15~20名ほどです。結果、この新卒

部隊は3年間で姿を消し、採用をしなくなりました。なぜなら、この3年で50名ほど入社して1名

しか残らなかったからです・・・。まさに「ブラックの極み」。エスプレッソ並みに濃いブラックが

堪能できる会社でありました・・・。~つづく~

 

 

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